お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈11〉

大平洋のうねりと台風の洗礼 ボートの中は、くるぶしくらいまで水が溜まっていた。ボストンホエラー・モントーク17はセルフベーリング(自動排水)ではないので、雨が予想されるような時はドレンプラグを抜いておかなければいけない。エンジンを...
お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈12〉

早朝の枕崎港へ。 そして3日間の滞在  早朝、しかも日曜日の枕崎港はほとんど人影もない。上陸後、近くに公衆トイレを発見したので、用を足し、水道の水を頭からかぶった。体から潮気がとれると、いくらか元気が出てきた。 時間はたっぷりあるの...
お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈13〉

枕崎のカツオ三昧  おじさんに重ね重ねお礼を言って、最後の荷物を抱え、宿を目指す。ここから宿までは結構歩かなくてはいけない。高橋さんは新しく買ってきたスポーツサンダルで豆ができたらしく、痛そうに足を引きずっている。  途中、「お魚セ...
お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈14〉

台風7号と8号の合間  ノースリーブのシャツに短パン、スポーツサンダルにタオルの鉢巻き。そして桜印のライジャケ。  8月5日、午前9時40分、鹿児島県枕崎港を出港した時のいでたちである。台風7号の余波が残る大平洋を、佐多岬まで南下し...
お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈15〉

初の釣果 は、 メーターオーバーのシイラ  岬のちょうど真南に差し掛かった頃、頭上に鳥を発見。4~5羽がぐるぐると旋回しながら、海中の様子をうかがっている。鳥はかなり本気で、食い気満々。間違いなく小魚を狙っている。ということは…。 ...
お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈16〉

佐多岬の向こうはうねりの壁  佐多岬をクリアすると、今度は右斜め後ろから波を受ける事になった。しかも、うねりのサイズはさらに大きくなってきている。台風7号の余波がおさまらないうちに、8号の影響が出始めているのだ。頭上にも南から重苦し...
お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈17〉

命からがら志布志湾へ 「うおお~っ」 特大のうねりが来ると、高橋さんからうめき声がもれた。「す、すごいですね」「なかなかですね」「これって、普通ですか?」「普通じゃないですけど、大丈夫です」 本当は「大丈夫ですか?」と高橋さんは聞き...
お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈18〉

まずは寝る場所の確保  疲れた。 枕崎から志布志湾・内之浦までの60マイルを、平均時速7.5ノットで8時間。大きなうねりの中で叩かれっぱなし、頭から波を被りっぱなし、ずっと立ちっぱなしである。飯も食わず、小便もせず、口も聞かずで走り...
お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈19〉

旅先の好意  さっそく1階の荷揚場で頭から水をかぶり、潮気をとった。強い風が吹き抜ける岸壁で着替えを済ますと、教えてもらったガソリンスタンドに連絡、給油を依頼した。 「よう、こんな時に、こんなボートで来たのぉ」  川崎石...
お父さんの夏休み

お父さんの夏休み〈20〉

またまた、長期滞在  暴風雨はいつも夜、である。 目が覚めるとテントが大きく湾曲し、今にも崩壊しそうである。下がコンクリートなのでペグが打てず、テントはスピンを張ったヨット化し、ズルズルと風下へ移動している。   賢明に体で押...
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