ただ単に、九州を一周するということだけが目的だとつまらない。釣りもしたい。キャンプも楽しみたい。もちろん、旨い魚も喰いたい。
できるだけのんびりと時間を掛けて回りながら、付加的な遊びを楽しみたいと思った。
僕のモントークはホンダの4ストローク/50馬力を積んでいて、最高速度は軽荷時で27ノット。燃費は1時間あたり全開で走って12~13リットルである。
朝夕に釣りをするとなると、1日に走れる時間は5~6時間がいいところ。スピードは荷物もたくさん積む事になるので、平均18ノットくらいだろうか。18ノットで5時間走って90マイル。
九州を一周すると約580マイル(約1000キロ)だから、7日あれば回れる計算だ。天候の状態によっては走れない日があるかも知れないので、予備日を3日とってちょうど10日間。バッチリである。
日程に余裕が出たら、もちろん、九州各地の有名ポイントで釣り三昧。楽しくなってきたぁ~。
1日に5~6時間走るとなると、携行タンク(25リットル入)が最低3本必要になる。通 常は2本しか積んでいないので、予備も含めてあと2本を追加し、計4本(100リットル)を搭載していく事にした。
それにしても、4ストロークの燃費の良さは非常に助かる。もし、燃費がこの半分近いエンジンだと、同じ距離を走るのに倍の燃料がいるということになる。そんなタンクを積めるはずもない。逆に4本が上限だとすると、距離は半分しか走れないという事になるのだ。それではこの計画そのものが非現実的なものになってしまう。ホンダの4ストロークエンジン様様である。

さて、コースの設定だが、難所と思われる鹿児島の南から日向灘を向い波で走りたくないとの理由から、熊本を出港後、反時計回りで進む事にした。
1レグ目の寄港地は、鹿児島県坊津。昔、一度陸路で行った事があり、非常に落ち着いた情緒のある町だった記憶がある。
それより何より、江戸時代から密貿易の港だったというほどの天然の良港なのが気に入った。沖ではカツオも釣れるだろう。タタキにして食べるのを第一の目標とした。
2レグ目は鹿児島の南を回り込み、九州東岸、宮崎との県境にある志布志湾を目指す。
3レグ・4レグ目は志布志から港の少ない日向灘を一気に北上し、宮崎県日向を経て大分県佐賀関へ。もちろん、第2の目標は関アジ、関サバ狙いである。
5レグ目は関門海峡の手前、福岡県新門司が目標。ここまではすべて漁港に係留し、近くにテントを張る予定だったが、1日くらいはボートを離れて居心地のいいねぐらを探そうと、新門司ではマリーナに留める事とした。
6レグ目は玄界灘に入り、佐賀県呼子に向う。ここはイカで有名な場所。当然、イカ釣りに挑戦して、透き通 ったイカ刺にありつく予定である。これが第3の目標。
7レグ目は、呼子から長崎県佐世保沖の九十九島へ。天草をしのぐ多島地区でもあるので、無人島キャンプを楽しむことに。
最終8レグは九十九島から熊本県天草郡大矢野町のホームマリーナまで、という計画である。
(つづく)
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