お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈1〉 中年男はなぜ、旅に出たいのか 灼熱の夏が過ぎ、3年前の記憶が断片的に蘇る。 * 1999年7月31日。 夕方の鹿児島県坊津港。「どっからきたのぉ」 振り返ると70歳過... 2022.06.25 お父さんの夏休み
お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈2〉 九州一周を思い立ったもうひとつの理由 18年ぶりに東京を離れ、九州・熊本の故郷にUターンすることを最終的に思い切れた理由のひとつに、天草の海の存在があった。 有明海、不知火海という2つの内海を持つこの海域は、ボートで遊ぶ... 2022.06.29 お父さんの夏休み
お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈3〉 ただ単に、九州を一周するということだけが目的だとつまらない。釣りもしたい。キャンプも楽しみたい。もちろん、旨い魚も喰いたい。 できるだけのんびりと時間を掛けて回りながら、付加的な遊びを楽しみたいと思った。 僕のモントークはホンダ... 2022.06.29 お父さんの夏休み
お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈4〉 有頂天の準備段階 だいたいのコースは、コンピュータに入っている地図ソフトを頼りに大雑把に決めていったのだが、本当に各港で係留が可能なのか、給油はできるのか、近くにテントを張れる場所はあるのか、買い物はできるのかなど、確認作業をしな... 2022.06.29 お父さんの夏休み
お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈5〉 7月30日、スタート その他、細々したものも色々と必要になった。チャートが濡れないようにするための防水クリアケースと携帯電話の防水ケース。港での買い出し用折り畳みカートなどなど。テント、ロールマット、清水タンク(20�P)、食器や... 2022.06.29 お父さんの夏休み
お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈6〉 「現在、九州一周航海のため 留守にしております」 1999年7月31日。 午前10時にホームポートである熊本県天草郡大矢野島にあるイースタンマリーナを出港、走り慣れた不知火海を南下する。 快晴。風もなく、海面はほぼベタの状態。... 2022.06.29 お父さんの夏休み
お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈7〉 消えたレイバンは 東シナ海の洗礼 それまで真っ平だった水平線は、ギザギザになっている。波高は1.5~2mほど。ところどころに白波が立つ程度の風で、ほぼ真向かい。南南東だ。 回転数を4800に落とし、18ノットで走る。一応、予定のスピ... 2022.06.29 お父さんの夏休み
お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈8〉 大平洋のうねりと 夢と消えたカツオのタタキ 野間岬を回り込んだ途端、右舷前方より2~3mのうねりを受ける事になった。ただ幸いに風はあまり強くない。スピードを落とせば、無理なく走れる状態である。 我がボストンホエラー・モントーク1... 2022.06.29 お父さんの夏休み
お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈9〉 強風と満天の星空で迎えた 坊津の初夜 やることはたくさんあった。テントの設営場所・係留場所の確保、夕食の食材調達、給油、天候と釣り場の情報収集。まずは、スタンドが閉まる前に給油を行わなければいけないので、事前に漁協で教えてもらって... 2022.06.29 お父さんの夏休み
お父さんの夏休み お父さんの夏休み〈10〉 8月1日、未明 真夜中、テントを叩く風と雨の音で目が覚めた。目を開いても、何も見えない。真の闇である。 隣では、高橋さんの寝息が聞こえる。手探りで懐中電灯を探し、時計を見る。午前3時半。ファスナーを開いて、顔だけをテントの外に出し... 2022.06.29 お父さんの夏休み